第四章 輸送の安全を確保するための事業の実施及びその管理の方法
(輸送の安全に関する重点施策の実施)
第十一条 輸送の安全に関する基本的な方針に基づき、輸送の安全に関する目標を達成すべく、輸送の安全に関する計画に従い、輸送の安全に関する重点施策を着実に実施する。
(輸送の安全に関する情報の共有及び伝達)
第十二条 経営トップと現場や運行管理者と運転者等との双方向の意思疎通を十分に行うことにより、輸送の安全に関する情報が適時適切に社内において伝達され、共有されるように努める。また、安全性を損なうような事態を発見した場合には、看過したり隠蔽したりせず、直ちに関係者に伝え、適切な対処策を講じる。
(事故、災害等に関する報告連絡体制)
第十三条 事故、災害等が発生した場合における当該事故、災害等に関する報告連絡体制は別に定めるところによる。
2 事故、災害等に関する報告が、安全統括管理者、経営トップ又は社内の必要な部局等に速やかに伝達されるように努める。
3 安全統括管理者は、社内において報告連絡体制の周知を図るとともに、第一項の報告連絡体制が十分に機能し、事故、災害等が発生した後の対応が円滑に進むよう必要な指示等を行う。
4 自動車事故報告規則(昭和二十六年運輸省令第百四号)に定める事故、災害等があった場合は、報告規則の規定に基づき、国土交通大臣へ必要な報告又は届出を行う。
(輸送の安全に関する教育及び研修)
第十四条 第五条の輸送の安全に関する目標を達成するため、必要となる人材育成のための教育及び研修に関する具体的な計画を策定し、着実に実施する。
(輸送の安全に関する内部監査)
第十五条 安全統括管理者は、自ら又は安全統括管理者が指名する者を実施責任者として、安全マネジメントの実施状況等を点検するため、少なくとも一年に一回以上、適切な時期を定めて輸送の安全に関する内部監査を実施する。
また、重大な事故、災害等が発生した場合又は同種の事故、災害等が繰り返し発生した場合その他特に必要と認められる場合には、緊急に輸送の安全に関する内部監査を実施する。
2 安全統括管理者は、前項の内部監査が終了した場合はその結果を、改善すべき事項が認められた場合はその内容を、速やかに、経営トップに報告するとともに、輸送の安全の確保のために必要な方策を検討し、必要に応じ、当面必要となる緊急の是正措置又は予防措置を講じる。
(輸送の安全に関する業務の改善)
第十六条 安全統括管理者から事故、災害等に関する報告又は前条の内部監査の結果や改善すべき事項の報告があった場合若しくは輸送の安全の確保のために必要と認める場合には、輸送の安全の確保のために必要な改善に関する方策を検討し、是正措置又は予防措置を講じる。
2 悪質な法令違反等により重大事故を起こした場合は、安全対策全般又は必要な事項において現在よりも更に高度の安全の確保のための措置を講じる。
(情報の公開)
第十七条 輸送の安全に関する基本的な方針、輸送の安全に関する目標及び当該目標の達成状況、自動車事故報告規則第二条に規定する事故に関する統計、安全管理規程、輸送の安全のために講じた措置及び講じようとする措置、輸送の安全に係る情報の伝達体制及びその他の組織体制、輸送の安全に関する教育及び研修の実施状況、輸送の安全に関する内部監査の結果並びにそれに基づき講じた措置及び講じようとする措置、安全統括管理者に係る情報について、毎事業度の経過後百日以内に外部に対し公表する。
2 事故発生後における再発防止策等、行政処分後に輸送の安全の確保のために講じた改善状況について国土交通省に報告した場合には、速やかに外部に対し公表する。
(輸送の安全に関する記録の管理等)
第十八条 本規程は、業務の実態に応じ、定期的に及び適時適切に見直しを行う。
2 輸送の安全に関する事業運営上の方針の作成に当たっての会議の議事録、報告連絡体制、事故、災害等の報告、安全統括管理者の指示、内部監査の結果、経営トップに報告した是正措置又は予防措置等を記録し、これを適切に保存する。
3 前項に掲げる安全マネジメント態勢を確立し、実施し、維持するうえで「基本となる記録及び必要と判断した記録」については3年間の保存とし、「関係法令より作成を義務付けられている記録」については、関係法令による保存期間に準ずる。